古き良きは悪しき?
「開発室Pixel」さんの最新作『洞窟物語』が正式公開されました。 おめでとうございます。 私はテスト版を既にプレイしており、記事にしたくて堪らなかったのですが、正式公開まで自粛していました。 晴れて正式公開されたので記事の執筆も解禁ですよね。
外見が古めかしいせいか、近年のゲーム事情が当たり前な世代には第一印象で不評な模様。 でも、とにかく、プレイしてみてください。 外見などは二の次だということに気づくでしょう。 めちゃくちゃ面白いです。 絶対にハマります。
やり込み要素が豊富で奥深い。 1周しただけでは攻略不可能。 私は3周してなんとか「聖域」と呼ばれる超難度の隠しステージを開拓。 しかし、自分はヘタレなので自力での攻略は限界に到達。 でも、真のエンディングは見たい。 そこで、セーブデータをハックして体力を無限大に・・・
だって、こればかりに時間を割くわけには。 短期に決着したい私のニーズとは裏腹に、作品が大規模だったので。 あぁ、プログラマって怖いですね・・・
さて、誉め言葉はよそでも聞けるでしょうから、あえて、苦言を呈しましょうか。 この作品について「古き良き」という感想が目に付きます。 私自身も「古き良き」を胸に抱きました。 「古き良き」を「良い」と思っている方にとってはこの上ない作品でしょう。
しかし、私は「古き良き」が必ずしも「良い」とは思っていません。 むしろ「悪い」と思っている。 なぜなら、「古き良き」には進展も衰退もない。 「古き良き」は過去の良品の忠実な再生に過ぎない。 私が『洞窟物語』について抱いた感想は「古き良き時代のゲーム」、「今さら制作された旧世代のゲーム」。 最後まで「新しさ」は見出せず、古き良き止まりで残念に思った次第。
誤解しないでください。 古きを捨てて新しきを模索し、なにもかもを次世代にすべきだと、言いたいわけでは決してありません。 私自身、「なにもかもが3D」な現状には付いていけない。
私が言いたい(提案したい)のは、「古き良き」ではなく「温故知新」。 似たような言葉ですが、不動か可動かの点においては相反でしょう。 『洞窟物語』に限った話ではありません。 「古き良き」は大いに結構。 ただし、古き良きモノから、似たようなモノを作るのではつまらない。 単に付け足しでも構わない。 恩を仇で返すがごとく、古き良きモノから、それを超越するモノを作るのがよいのではないかと。
とはいえ、誰がなんと言おうと、「面白いモノは面白い」という事実に変わりはない。
ごくごく当たり前なことを、あえて、改めて、長々と書いてみた。 これは、誰よりも、なによりも、自分自身への言い聞かせ。。。