音なき悪害
予告どおり、前回の「携帯電話は通電しているだけで問題がある」の続きである。
携帯電話により起こりうる問題は大きく分けて2つ。 ひとつは利用による周囲への迷惑。 もうひとつは電磁波による身体、および、「信号系機器」への悪影響。 前回「個人的な感情はどうでもいい」と書いてしまった以上、ここでは後者の「電磁波」について取り上げる。
誰でも一度は「電磁波は体によくない」という話は聞いたことがあるだろうが、そもそも、これは本当に正しいのだろうか? まあ、少なくとも、体に良いことはないだろうが、悪いといっても微少であると私は考えている。 もし著しく問題があるのなら、携帯電話によって脳がおかしくなってしまった人がいても不思議ではないからだ。 まあ、ガンぐらいなら患うかもしれないが、タバコと同じで、やめない人はやめないだろう。
対して信号系機器への悪影響は確実である。 「信号系機器」と聞いてもピンとこないかもしれないが、つまりは、よくいわれる「ペースメーカ」にはじまり、補聴器、ラジオ、MDやCDプレーヤなどがこれにあたる。 今見ているこの画面を映している諸機器も信号系機器である。 もし、CRTモニタをお使いなら、携帯電話を近付けてみてほしい。 通話中ならなおよいが、画面横端に発生するノイズを見ることができるかもしれない。 あくまで「かもしれない」だが。
これらの機器に影響が及ぶと、信号にノイズが乗り、音楽機器や補聴器なら余計な音が加わって聞き取りづらくなったり、ペースメーカなら最悪、不具合を起こして命に関わる事態となる。 国内のペースメーカの装着者人口は20万~30万人。 確率的には低いかもしれないが、宝くじやギャンブルを当てるのに比べたら遥かに高確率である。 まあ、そもそも、この問題を確率論で語るのはナンセンスだと私は思っているが。 それに、音楽機器や補聴器なら、車内で1人や2人は必ず見かけるだろう。
で、やっと本題。 一般的に、上に書いたような問題が起こり得るのは「通話時のみ」だと信じられている。 通話さえしなければ、電波および電磁波などは発生しないと、信じて疑わない。 大間違いである。 通話時に使用する電波は、発電できるほどのとてつもなく強力な電磁波を生み出すが、通話していない状態でも、通話時ほどではないものの、電波を出し続けている。 なぜそのような不要な電波を出しているのか?
不要ではない。 必要だから出しているのである。 固定電話を思い出してほしい。 常に電話線が接続されているはずである。 かけるときだけでつないで、普段は外しているという人は滅多にいないだろう(私ならやりかねないが)。 こんなことをすれば「かけ専用」になってしまう。 発信はできても着信することはできない。 携帯電話も原理は同じ。 誰かが発信しようとしても、着信する電話機が電話網につながっていなければ、電波の飛ばしようがない。 直結式の無線と違って、中継式の携帯電話は、日本の端から端でも通話できる代わりに、相手の居場所がわからなければそれは叶わない。 よって、自分の居場所を知らせて、電話網につないで、着信できる状態にするために、携帯電話は常に電波を出し続けているのである。
結論。 車内ではとにかく電源を切れと。 できることなら携帯電話なんか持つなと。 ちなみに私は持っていない。 面倒だし、別に困らないから。 持ってもおそらく「かけ専用」。 こんなことを言っている私ですが、本業は携帯電話のメーカとつるんでコンテンツを作っています(苦笑) 多数決国家の国民性ではこんな簡単なことも守れんのかねぇ・・・
・・・長っ!!